2018.04.15更新

ARONJ

 2018年4月14日関空エアポートワシントンホテルにて、医歯薬連携における歯と骨から健康長寿を考える会が開催されました。

 この会は昨今問題になりつつある顎骨壊死・顎骨骨髄炎について、医師・歯科医師・薬剤師が連携して取り組んでいくために発足されました。診療科や診療所や薬局が違うところにある場合でも、患者さんに対する処置・治療・投薬は個々の患者さんの全身に関わってくるため、見えない垣根を越えて連携していく動きが活発になってきております。

 今回は骨粗鬆症治療薬剤に関連する研修会で、骨粗鬆症患者さんや骨転移を有するがん患者さんに投与される薬が口腔にどのように関連するかまたどのように対処すべきかについて学びました。

 講師の先生として兵庫医科大学歯科口腔外科講座主任の岸本裕充先生、座長として阪南市民病院歯科口腔外科の森田典雄先生、この会の発起人のお一人である永山病院整形外科骨粗鬆症センターの田中雅博先生がご登壇され、貴重なご講演を拝聴いたしました。

 内容としましては経口・注射薬の骨吸収抑制薬が顎骨にのみ壊死・骨髄炎を起こす原因・治療について。歯は外界(口腔内という空気に触れる外側)と体内(上皮や筋肉などで覆われている内側)を貫通して生えている、咬合という反復的かつ強大な負荷がかかる、大量の菌にさらされているという体では他にない状態のため、虫歯がひどくなって歯の神経や骨が見えたり歯周病によって細菌感染を起こしたりすると、途端に体内に菌が入りこみます。それにより全身を巡り他の臓器に付着したりもします。心疾患や糖尿病でも関連が確立されてきております。そのような過酷な環境において、骨吸収抑制薬を使用されている患者さんの場合、骨の壊死や骨髄炎といった状態、簡単に言うと抜歯等の小手術後に普通は治っていくものが治らない、腐った骨が作られてしまう(腐骨形成)場合があります。悪化するとVincent(ワンサン)症状(顎骨や歯肉や口唇の痺れ)も惹起します。正常な骨が出来ないため骨折のリスク(病的骨折)も高まります。

BRONJ:Bisphosphonate-related osteonecrosis of the jaw

(ビスフォスフォネート系薬剤関連顎骨壊死)

DRONJ:Denosumab-related osteonecrosis of the jaw

(デノスマブ系薬剤関連顎骨壊死)

MRONJ : Medication-related of the jaw

(薬剤関連性顎骨壊死)

ARONJ : Anti-resorptive agents-related osteonecrosis of the jaw

(骨吸収抑制薬関連顎骨壊死)

といった呼称がありますが、BRONJとDRONJを合わせたものがARONJ、ARONJに血管新生阻害薬関連他を加えたものがMRONJです。主にはこのARONJが問題視されています。

 歴史的には以前は抜歯によって引き起こされてしまうため抜歯できない、頻回の消毒のみとされてきましたが、近年では抜歯によって発見されるだけで既に骨髄炎を起こしているという見方が強くなっています(※壊死は抜歯によって起こされることもあります)。そのため骨吸収抑制薬を休薬してからの抜歯なども行われてきましたが、明確な証拠もなくむしろ休薬によるリスク(骨折等)が問題視され始めました。もちろん処方されている医師の先生方も骨折やがんの転移に対する必要があるから処方されています(当時は医師と歯科医師の間での齟齬・ジレンマがあったようですね…)。現在では抜歯に至る程の歯であればほとんどの場合は細菌感染しており、薬の効果も相俟って骨髄炎を起こしやすくなっている、もしくはおこしている。そのため歯の無理な保存をするのではなく、抜歯せざるを得ない歯は早期の抜歯が推奨されます。それにより骨髄炎を確認されれば、その時点で骨吸収抑制薬の休薬や口腔外科への転院なども考えられます。事前に処方医に休薬の可否を確認する場合もありますが、患者さんご自身での判断での休薬はお控えください。

 薬剤の種類や処方目的や投与期間にもよりますが、発生率は0.001%から数%と低い確率です。それを患者さんにお伝えすると中には「そんな低い確率なら大丈夫でしょ」とおっしゃられる方もいらっしゃいます。ですが私は「確率の問題ではなく、なるかならないかは2分の1」と患者さんにご説明します(表現は適切ではないやもしれませんが、宝くじも1枚買えば1等当選することもあるでしょう)。起こったときの適切な対処のためにも、おくすり手帳や注射を受けている旨をお知らせいただけたら幸いです。また医科でこれから骨粗鬆症薬を始めていく場合もお知らせください。それに向けての歯科治療も行ってまいります。医科の先生方も歯科との連携を重視されている方もいらっしゃいます。処方前に歯科受診を勧めてくださった場合は必ず歯科での検診・治療を受けてください。

(※壊死は細菌感染なし、骨髄炎は細菌感染ありです。抜歯の際に大幅な骨削除などを行えば壊死につながります。そのためにも保存できない歯は薬の処方前の抜歯が推奨されます)

 

投稿者: 日根野谷歯科

2018.04.07更新

 今回は現在広く使われるようになりましたコンポジットレジンとは何かについてご説明いたします。

 レジンとは本来は天然の樹脂を指すものですが、今では合成樹脂の意味合いも同義として扱われるようになりました。

 樹脂なんていうと柔らかくて歯の治療に使えるのかと疑問を持たれますが、発明当初から80年経った今では小さな虫歯には第一選択の治療法になりました。当初金属による虫歯でできた穴の修復しかなかった頃は、白い詰め物ができ画期的な発明とされましたが、圧縮・衝突・摩耗などに対する脆弱性や硬化の際の膨張・縮小が問題となり即時に金属の代替治療にはなりませんでした。しかしながら決定的に色が綺麗という利点からコンポジットレジンの開発は進められ、強度はもちろん色調も様々なものができました。かつコンポジットレジンによる虫歯治療は保険適応となりました。

 今のコンポジットレジンの主流は光硬化型で、虫歯をとった穴に流し込んで光で固めるものです。あまり詳しくはありませんが、手芸やアクセサリーやネイルアートにも使われているそうです。もちろん歯科で使われているコンポジットレジンはそれらに比較して強度は格段に上です(手芸に詳しい方に聞くと歯科用は固すぎ、色も白っぽいのしかないから手芸に向かないとのこと。やはりそれぞれの用途に開発されているみたいですね)。光で固めるということは光が届く範囲ならば充填できるということです。つまり虫歯の部分のみを削って極力健康な部分は触らない治療が可能ということであり、削らなければいけない虫歯におけるMI(Minimal Intervention:最小限の侵襲)治療に近づけるということです。

 とはいってもさすがに金属ほどの強度はなく、立体的な修復にはまだ苦手な部分があります。簡単にいうと、穴を埋めるには適しているが大幅に歯が欠けているところには不向きであるということ(そうなってくると金属に匹敵する強度かつ白さをもつジルコニアが選択されますが、それはまた後日に)。

 現在でも開発は進められており、歯科材料の中でも進化が著しい材料です。近未来にはコンポジットレジンのみで大半の修復ができるようになるやもしれません。実績の得られた材料と確認されれば、当院でも最新のものを導入してまいります。

投稿者: 日根野谷歯科

2018.03.21更新

 4月1日からまた待合室での映像が変わります。

 今回は歯科技工士さんのお仕事について、メタルフリーでの治療、セラミックス・ジルコニアにする理由など新規のものも取り入れました。

 是非ご覧ください。

投稿者: 日根野谷歯科

2018.03.18更新

 先日市の1歳半健診の歯科担当として出務したしました。すると最近の保護者の方々はお子さんの歯の健康に対する意識が高く、様々なご質問をお受けしました。

 中でも歯磨剤(歯磨き粉)についてのものが多く、どんなものを使ってよいのか、フッ素は良いものなのかなどに関心が集まっているようでした。

 まずフッ素とは口腔内でどのような効果があるのかについてご説明いたします。歯のエナメル質をフッ素により虫歯になりにくくする効果があります。脱灰(ごく初期の虫歯)部分を再石灰化することにより、虫歯の悪化を防ぎます。近年歯科の詰め物にもフッ素配合や、フッ素の取り込み放出(リチャージ)できるものが多数開発されており、今や虫歯は減少傾向にあります。

 しかし良いことばかりではなく注意点もあります。まずはフッ素濃度ですが、単位はppmで表示されるのが一般的となっています。このppmが現在1500まで国が認める濃度となっています。年齢により以下目安となっています。

 6歳以下     使用は控える(医師・歯科医師の判断のもとで使用)

 6歳から14歳  1000ppmで歯ブラシの半分ほどの長さで使用

 15歳以上    基本的に制限はない

となっています。特に小児の場合急性中毒により死に至るケースや、慢性中毒により永久歯に白い斑点ができたりします。急性中毒も恐いですが、慢性中毒の斑状歯は石灰化不全によるもので、最初から虫歯のリスクが高く見た目にも変わった白になってしまいます。用法・用量を守って正しくお使いください。

 またフッ素配合歯磨剤を使っているから虫歯にならないわけではありません。あくまで強化であり虫歯に関連する菌を殺菌しているわけではないので、やはりまずはブラッシングが大切です。

投稿者: 日根野谷歯科

2018.03.11更新

 あまり聞きなれない言葉ではありますが、近年このオーラルフレイルが歯科業界では盛んに取りざたされています。

 オーラルとは口腔または口腔機能を指し、咀嚼・嚥下や会話や呼吸などに使われる筋肉・骨格または神経系全般を意味します。

 フレイルとは虚弱、機能低下している状態を示します。医科では(特に欧米)以前からフレイルが人間の健康寿命に大きく関わるため、問題視されています。フレイルには、身体的フレイル、精神的フレイル、社会的フレイルなどがあり、それぞれの口腔に関するものを総じてオーラルフレイルと呼称しています。

 主なものとしては、歯がないと食事ができない、食事ができないと栄養摂取がしづらい、栄養摂取が困難であれば病気にかかりやすくなる、といった流れです。これは身体的フレイルの代表格ですが、他にも歯が少ない方は転倒のリスクが高く、骨折→入院→寝たきりという負のルートをたどりやすくなります。また噛むことによって記憶領域も活性化され、認知症予防としても一役かっているとの報告もあります。
 また精神的フレイルは、口からものを食べるという動物としての生命活動が困難になり、精神的に落ち込んでしまうことを指します。食べにくいから食べない、決まった軟食ばかりとなると心理面でまいってしまいます。
 社会的フレイルは仕事やサークルなどの社会参加をしなくなることを意味します。他のフレイルに比べると、一人でいるだけで問題ないと思われてしまいますが、話すこともなく食べたいものだけを食べ、いつの間にか身体的・精神的フレイルに陥るが周囲は気づかないままで年月が過ぎてしまう。孤独死で何日も発見されないなどにつながる恐れがあります。
 現在では医科歯科はもちろん多職種で連携をとり、健康寿命の延伸につとめております。人間の誰しもに死は訪れます。最期のときを迎えるまで、独立独歩で食事・会話ができたら幸せではないかと考えます。

投稿者: 日根野谷歯科

2018.03.04更新

 3月3日土曜は午前中の診療を終え、スターゲートホテル関西エアポートにて第13回泉州6地区合同学術講演会に参加いたしました。以前も少し触れましたが、南大阪は6地区に分かれていますが、年に一度合同にて学術講演会が開催されます。

 今年の演題は

「歯周組織再生剤リグロス®誕生 -その薬理作用、使用法について-」

リグロス

 今回講演してくださった大阪大学大学院歯学研究科歯周病分子病態学教授の村上伸也先生ですが、静かな中に研究に対する熱い思いが端々に感じられる、かつ患者さんに研究結果を還元する情熱をお持ちの方でした。

 その村上先生の開発されたリグロス®についてご説明いただきました。このリグロス®は主に歯周病で失われた歯周組織(セメント質、歯根膜、歯槽骨)の再生を促す薬剤です。本来失われた歯周組織は再生が難しく過去にも数種の治療法がありましたが、侵襲度合いや費用いわゆるコストパフォーマンスの割に再生(回復)量が不安定でした。今回のリグロス®は問題点を改善されているとのこと。従来の手術は必要ですが、再生のために侵襲を大きくせずとも失われた歯周組織部に薬剤を投与するのみです。さらには保険適応で費用も抑えられ、ヒト由来のタンパク質なので比較的安全です。

 虫歯で侵襲された歯髄(歯の神経)の代わりに詰める薬や、失われた歯の代わりに入れる入れ歯やブリッジやインプラントなど、生来持っている組織の代替治療も歯科では日々進歩しております。ですが現在のところ全てにおいて元の組織に勝る代替治療はありません。最期のときを迎えるまで自分の歯で食事ができる、少しでもそのお手伝いができるよう研鑽してまいります。

投稿者: 日根野谷歯科

2018.02.24更新

 本年1月よりデジタルサイネージ(待合室に設置しておりますテレビ画面)を導入しております。

 歯科に限らず医療というものは患者さん側からすると、

「よくわからない」

「説明してくれない」

「言う通りにするしかない」

といった、あまり良くない御意見をお持ちであるとの調査結果を雑誌などで目にすることがあります。

 その度に初心を忘れず、患者さんに寄り添ったカウンセリングや治療を心掛けようと日々努めております。

 ですがお話をし過ぎると肝心の治療時間が、また治療時間に重きを置きすぎるとお話が、というようになかなか思うよう参りません。かといって長時間の治療や何度も何度も来院いただくのは患者さんの負担にしかなりません。

 そこで少しでも患者さんの疑問にお答えできればとデジタルサイネージを導入いたしました。

 素朴な疑問や新しい機械機器紹介、真面目なものや少し楽しいものまで多種多様に揃えられています。

 当院ではお待たせすることのないよう努めておりますが、お待ちいただいているときや、治療を受けられる患者さんのお付き添いの方にご覧いただきたいと思っております。

 またそれをきっかけに疑問等ございましたら、当院スタッフにご質問ください。

投稿者: 日根野谷歯科

2018.02.20更新

 2/18の日曜日、息子の副院長と表題のインプラント研修に行ってきました。

 lodi1

 

 Locator Overdenture Implant System(LODI)

というものですが、従来より同じようなシステムはあり、当医院でも数十例の患者様が入れ歯の落ち着きが良くなり笑顔を取り戻されました。

 そのインプラントは輸入されなくなり、他のインプラントで対応していましたが、この " LODI " は世界的にも経過良好と立証され日本でも発売となったのを機に当医院でも導入し、研修してきました。

 これは、あくまでも外れやすい入れ歯を「パチン」と音をたててとめるもので、欠損部にその本数を埋入して固定式の歯をつくるものではありません。

 その分、本数が少なくなり経済的です。いずれにしても患者様の期待・要望が第一ですが、診査診断・治療計画などにより、どの方法がベストかをお互いによく話し合い、考え合って進めたいと思います。

投稿者: 日根野谷歯科

2018.02.19更新

 勤務医の日根野谷悠です。

 先日(2月17日)午後より、貝塚市歯科医師会主催学術講演会に参加させていただきました。

 市や地区によって歯科医師会は支部に分かれており、日根野谷歯科医院は泉佐野・泉南支部に所属しております。
 定期的に各支部とも研鑽を積むため学術講演会を開催し、他支部とも交流しております。

 今回の標題は歯周病。
 最近はテレビ・雑誌などのメディアでも取り上げられていますが、単に歯周病は歯を失うに留まらず、内科的疾患特には糖尿病との関連も立証されています。
 その原因はいわゆる歯周病菌で、歯垢として目に見えるようになります。さらには毒素や粘着成分を纏いバイオフィルムという集合体を形成。口腔内にて繁殖します。

 毎日の歯磨きとはこのバイオフィルムを機械的物理的に取り除く行為です。
 体の抵抗性や菌の種類は個人差がありますが、多くの歯周病は歯磨きで改善されます。

「歯医者に行くと磨けていないと言われる」

とよく言われてしまいますが、歯周病によって歯を失い、体を蝕む病になることを思うと…今日も口うるさく言ってしまいます。

 ですが歯周病の治癒の主役は患者さんということ、私達はそのお手伝いをさせていただくことを学びました。

 ぜひご一緒に健康な口腔内環境を獲得しましょう。

投稿者: 日根野谷歯科

2018.02.13更新

結婚して、もう41年になります。大変だったけど、あっと言うまでした。

昨年は大動脈瘤の手術(11時間)を受け、家内には心配と迷惑をかけました。

そんなこともあって、記念日に近江八幡・彦根へでかけ、プレゼントも無しに乾杯だけしてきました。

ひこにゃん彦根景色


まだまだ寒いですが、風邪などひかないように。

心臓については、大事に至らないようにCT撮影をお勧めします。

投稿者: 日根野谷歯科

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